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AEO認定事業者

ウクライナに侵攻したロシア等への(輸出)制裁まとめ(2023.1.27改正分更新)

2022年2月24日に、ロシアが特別軍事作戦と称してウクライナに侵攻してから1年が経とうとしています。同国の4千万人余りの国民のうち、東部、南部の多くの方が戦禍の中で命の危険や大変な苦しみにあい、いまだに800万人以上の方が欧州などに避難して、不自由な生活を強いられています。

昨日、そのロシアの指導者が国内向けに演説し、核兵器の使用もちらつかせながら、侵攻の継続を表明しました。一方のウクライナでは、同国を後方支援する米国の大統領が初めて同国を訪問し、支援の継続を約束するとともに、支援国の結束を呼びかけました。

日本は、NATOのような軍事支援ではなく、先端品等の輸出による供給の禁止や石油製品等の輸入禁止、特定団体等との取引禁止といった内容での支援を継続していますが、ウクライナの人々を思いやる、私たち一人ひとりの気持ちを持ち続けることが大切だと思います。

このブログは、これまで、対ロシア制裁としての輸出入の禁止措置等のうち、輸出に関連した措置をまとめたものです。

輸入に係る制裁措置については、こちら(⇒「ウクライナに侵攻したロシア等への制裁(輸入)まとめ」)をご参照下さい。【内容更新:2023年2月22日】

Table of Contents

ロシアに対する輸出禁止措置

輸出貿易管理令(輸出令)別表1該当品目(リスト規制品目の全て)の輸出禁止

ロシアを仕向地とする「リスト規制貨物」(輸出令別表1の1の項から15の項までの貨物)(→ 輸出令別表1)を、2022年3月18日から輸出禁止としました。

制度としては、輸出令上の要許可品目を、経済産業大臣の承認を受けなければ輸出できない貨物に追加したものです。

つまり、本来、大量破壊兵器や武器の製造等に使用される可能性のある品物は、経済産業大臣の輸出の許可を要する貨物ですが、需要者要件や用途要件を満たして輸出許可が可能となった場合でも、全て輸出の承認をしないことで、実質的に輸出禁止としました。

根拠法令は、輸出令第2条第1号の4(→ こちら)と、同「別表第2の3」の1となります。

軍事力強化につながる汎用品(72品目)の輸出禁止

軍事能力等の強化に資すると考えられる汎用品等として、当初、32品目を輸出禁止に

ロシアを仕向地とする貨物で、軍事力強化につながる、以下の汎用品(32品目)を、2022年3月18日から輸出禁止としました。

  1. 集積回路、アナログデジタル変換器、マイクロ波用機器及びミリ波用機器の部分品、弾性波を利用する信号処理装置及びその部分品、一次セル、二次セル、太陽電池セル、超電導電磁石、超電導材料を用いた装置並びに放電管
  2. 電子式の試験装置、アナログ方式又はデジタル方式の記録装置並びにオシロスコープ及びその部分品
  3. 周波数変換器、質量分析計、フラッシュ放電型のエックス線装置及びその附属装置並びにこれらの部分品、パルス増幅器、信号発生器、遅延時間測定装置、クロマトグラフ並びに分光計
  4. 半導体素子、集積回路及び半導体物質並びにこれらの組立品の製造用の装置並びにこれらの部分品及び附属品
  5. 半導体素子、集積回路及び半導体物質並びにこれらの組立品の試験装置及び検査装置並びにこれらの部分品及び附属品
  6. レジスト
  7. 電子計算機及びその附属装置並びにこれらの部分品
  8. 通信装置並びにその部分品及び附属品
  9. 8.に掲げる貨物の試験装置
  10. 通信装置用の光ファイバーの材料となる物質
  11. 暗号装置及びその部分品
  12. 音波を利用した水中探知装置及び船舶用の位置決定装置並びにこれらの部分品
  13. 光検出器及びその部分品並びに光検出器を用いた装置
  14. 電子式のカメラ及びその部分品
  15. 光学フィルター並びにふっ化物のファイバーケーブル及びその部分品
  16. レーザー発振器
  17. 磁力計及びその部分品
  18. 重力計
  19. レーダー及びその部分品
  20. 信号処理装置(弾性波を利用するものを除く。)
  21. 16.に掲げる貨物及びその部分品の試験装置、検査装置、製造用の装置及び工具並びにこれらの部分品及び附属品
  22. 光検出器用の光ファイバー及び光検出器の材料となる物質
  23. ふっ化物及びこれを用いて製造した光ファイバーのプリフォーム
  24. 慣性航法装置、方向探知機及びアビオニクス装置並びにこれらの部分品
  25. 航法装置及びアビオニクス装置の試験装置、検査装置及び製造用の装置
  26. 船舶、水中用の観測装置その他の水中における活動用の装置及び潜水用具並びにこれらの部分品及び附属品
  27. ディーゼルエンジン並びにトラクター並びにその部分品及び附属品
  28. 航空機及びガスタービンエンジン並びにこれらの部分品
  29. 落下傘(可導式落下傘及びパラグライダーを含む。)並びにその部分品及び附属装置
  30. 振動試験装置及びその部分品
  31. ガスタービンエンジンの部分品の測定装置、製造用の装置及び工具並びにこれらの附属品
  32. 石油精製用の装置及び触媒(触媒は、5/20から追加)

以上の品目は、「輸出令別表2の3」の2のイからフに掲げられています。(→ 輸出令別表2の3

根拠法令は、リスト規制品目と同様に、輸出令第2条第1号の4と、当該別表です。

新たに40品目を、軍事能力等の強化に資すると考えられる汎用品等の輸出禁止品目に追加【2023年2月3日追加】

日本政府は、主要国との調整を経て、ロシア向けの軍事力強化につながる、以下の汎用品(40品目)を、2023年2月3日から輸出禁止としました。

本制度改正については、1月27日付け輸出貿易管理令の改正政令(⇒ 令和5年政令第17号)により、内容をご確認ください。

  • (46)暴動又は騒乱の鎮圧用の放水砲を用いた装置並びにその部分品及び附属品
  • (47)警棒及びこれに類するもの並びにむち
  • (48)警察用のヘルメット及び盾並びにこれらの部分品
  • (49)手錠、拘束衣その他の拘束のための器具並びにその部分品及び附属品
  • (50)石油又は可燃性天然ガスの探査のための掘削に用いられる液体及び添加剤並びに高圧ポンプ
  • (51)装置として用いられる環状の磁石
  • (52)放射性物質を物理的に封じ込め、及び放射線を遮蔽するように設計した装置
  • (53)催涙剤、くしゃみ剤及び爆薬並びにてき弾その他の爆発物並びに軍用及び民生用の火工品並びにこれらの部分品
  • (54)指紋の採取に用いられる粉末、染料及びインク
  • (55)個人用の線量計及び鉱業その他の産業で使用される生命又は身体を防護するための装置並びにこれらの部分品
  • (56)放射線の探知、監視又は測定のための装置及び放射線写真用の装置
  • (57)電解槽、粒子加速器、電気業用に設計した自動制御装置、フロンガス又は冷却水を用いた冷却装置及び複合材料、繊維、プリプレグ又はプリフォームの製造用の装置
  • (58)複合材料に用いられる繊維
  • (59)ワクチン、免疫毒素並びに軍用の細菌製剤の原料として用いられる生物、毒素若しくはそのサブユニット又は遺伝子を含む医療製品及び診断用又は食品検査用のキット
  • (60)トリメチレントリニトロアミンその他のエネルギー源となる物質を含む市販の爆薬及び導爆線その他の火工品並びに気体の三ふっ化窒素
  • (61)軍用の化学製剤の原料となる物質又は軍用の化学製剤と同等の毒性を有する物質若しくはその原料となる物質を含む混合物及び軍用の化学製剤の原料となる物質を含む医療用、分析用、診断用又は食品検査用のキット
  • (62)ポリアリーレンエーテルケトン
  • (63)ニッケル及び銅の合金製の板、硬度が高い鋼製又は炭化タングステン製の玉軸受、りん酸トリブチル、硝酸、ふっ素並びにアルファ線源に用いられる物質
  • (64)爆発物又は起爆装置の探知装置及びその部分品
  • (65)透視装置及びその部分品
  • (66)高速度で動作する軸受及び高温用若しくは低温用に設計し、又は磁気を用いた軸受
  • (67)ステンレス鋼製その他の合金製の管、継手及び弁
  • (68)溶融した金属用の電磁ポンプ
  • (69)可搬型の発電機及びその部分品
  • (70)ベローズ弁
  • (71)歯車の製造用又は仕上げ用の機械
  • (72)寸法の測定装置
  • (73)センサーから送信された情報を即時に処理し、プログラム又はデータの作成又は変更を行うことができるロボット
  • (74)(43)又は(71)から(73)までに掲げる貨物に使用するように設計した組立品、回路基板及び刃
  • (75)アイソスタチックプレス
  • (76)ベローズの製造用の装置
  • (77)レーザー溶接機、アーク溶接機及び電子ビーム溶接機
  • (78)ニッケル及び銅の合金製の装置
  • (79)大型のボーリング機械及び鉱業で使用される大型の土木機械
  • (80)ニッケル又はアルミニウムによる電気メッキ用の装置
  • (81)電動機とともに使用するように設計した産業用のポンプ
  • (82)真空で使用するように設計した管、継手、弁、ガスケットその他の装置
  • (83)絞りスピニング加工機及びしごきスピニング加工機
  • (84)遠心力式釣合い試験機
  • (85)オーステナイト系ステンレス鋼製の板、弁、管及びタンクその他の容器

上記の物品のうち、(61)の物品と、別表2の3第1号の2イに掲げる「軍用の化学製剤の原料となる物質又は軍用の化学製剤と同等の毒性を有する物質及びその原料となる物質」に関連して、関係省令が改正され、新たに、水銀、塩化バリウム、硫酸、アンモニア、炭酸カルシウム(カーバイド)、一酸化炭素、塩化水素など35種類の物質が追加されています(⇒ 令和5年経産省令第6号)。詳細は、下方の記事をご参照ください。

また、今回新たに輸出が禁止された物品は、輸出貿易管理令別表2の3の2に追加掲載されており、上記の改正省令や運用通達の改正達(⇒ 20230124貿局第1号)によって、さらに詳細な内容や適用除外品などが決められていますので、ご注意ください。

なお、上記の輸出貿易管理令別表2の3の、番号33から45は、この記事の下方に掲載した「先端的な物品等の輸出禁止品」として掲げられている、13の物品です。

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特定の団体(軍事関連団体)との直接又は間接の取引きに関する輸出禁止【2023年2月3日追加掲載】

ロシアの特定の団体(軍事関連団体)との直接又は間接の取引に関する輸出貨物について、2022年3月18日から輸出禁止としました。

この特定団体は、当初、ロシアの国防省や連邦保安庁、航空機メーカー等49団体(→ロシアの輸出取引禁止団体①)でしたが、その後、81団体(→ ロシアの輸出取引禁止団体②)を追加し、同年5月10日には71団体(→ ロシアの輸出取引禁止団体③)を追加して、最終的には201団体まで拡大していました。

その後、同年7月5日に、65団体(→ 輸出等が禁止となるロシア連邦の特定団体④)が追加され、さらに、9月26日には、21団体(→ 輸出等が禁止となるロシア連邦の特定団体⑤)が追加指定されて、合計287団体となっています。

最新の状況として、2023年2月3日から、新たに49団体(→ 輸出等が禁止となるロシア連邦の特定団体⑥)が追加指定され、合計336団体となりました。

根拠法令は、輸出令第2条第1号の7です。

ロシア連邦に対する奢侈品の輸出禁止

2022年4月5日から、ロシア向け奢侈品(19品目)で一定金額を超えるものの輸出を禁止しました。具体的には、以下のとおりです。

なお、これらの品物の金額制限については、販売等に係る最小単位なのでご注意ください。

つまり、酒なら1本、鞄や時計は1個、自動車は1台あたりの金額で対処を考える必要があります。

  1. アルコール飲料及びエチルアルコール【HS(関税率表の番号)22.03、22.04(2204.22及び2204.30を除く。)、22.05、22.06、2207.10、22.08(以上、4万円を超えるものに限る。)】
  2. 葉巻たばこ、シェルート、シガリロ及び紙巻たばこ(たばこ又はたばこ代用物から成るものに限る。)【HS 24.02(2402.20を除く。)(4万円を超えるものに限る。)】
  3. 香水類、オーデコロン類その他の調製香料及び美容用、メーキャップ用又は皮膚の手入れ用の調製品その他の化粧品類【HS 330.3、33.04(3304.30を除く。)、3307.90(以上、4万円を超えるものに限る。)】
  4.  トランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばん、ハンドバッグ、財布その他これらに類する容器及びズボンつりその他の衣類附属品【HS 42.02(4202.92を除く。)、4203.40(以上、4万円を超えるものに限る。)】
  5.  毛皮製のオーバーコートその他の毛皮製品【HS 43.03(4万円を超えるものに限る。)】
  6.  じゆうたんその他の紡織用繊維の床用敷物【HS 57類(5702.49を除く。)(4万円を超えるものに限る。)】
  7.  つづれ織物【HS 58.05(4万円を超えるものに限る。)】
  8.  スキースーツ、水着、絹製のブラウスその他の衣類及び絹製のショールその他の衣類附属品【HS 6110.30、61.12、6206.10、6211.11から6211.20まで、6213.90、6214.10、6215.10(以上、10万円を超えるものに限る。)】
  9.  スキー靴、スポーツ用の履物その他の履物【HA 6401.92、64.02(6402.20及び6402.91を除く。)、64.03、64.04(6404.19を除く。)、6405.10(以上、10万円を超えるものに限る。)】
  10.  革製その他の材料製の帽子(安全帽子並びにゴム製及びプラスチック製のものを除く。)【HS 6506.99(10万円を超えるものに限る。)】
  11.  磁器製の食卓用品その他の陶磁製品【HS 69.11、69.14(以上、4万円を超えるものに限る。)】
  12.  ガラス製品(鉛ガラス製のものに限る。)【HS 7013.22、7013.33、7013.41、7013.91(以上、4万円を超えるものに限る。)】
  13.  天然又は養殖の真珠、貴石及び半貴石並びにこれらの製品、銀及び金並びにこれらの製品、特定金属(銀及び金を除く。)の製品並びに特定金属を張った金属の製品【HS 71.01、7102.10、71.03、7104.91、71.06(7106.10を除く。)、7108.13、71.13、71.14(7114.11を除く。)、7115.90、71.16(以上、金を主たる材料とする物を除き、4万円を超えるものに限る。)】
  14.  船舶推進用エンジン及びその部分品並びに携帯用の自動データ処理機械(少なくとも中央処理装置、キーボード及びディスプレイから成るものに限る。)【HS 8407.21、8407.29、8408.10、8409.91(船舶推進用エンジンに使用する部分品に限る。)(以上、130万円を超えるものに限る。)、HS 8471.30(4万円を超えるものに限る。)】
  15.  乗用自動車その他の自動車、モーターサイクル(モペットを含む。)、補助原動機付きの自転車及びサイドカー並びにこれらの部分品及び附属品【HS 87.03(600万円を超えるものに限る。)、HS 87.06(乗用自動車用のものに限る。)、8707.10(以上、200万円を超えるものに限る。)、HS 87.11(8711.10を除く。)(60万円を超えるものに限る。)、HS 8714.10(20万円を超えるものに限る。)】
  16.  呼吸用機器及びガスマスク(機械式部分及び交換式フィルターのいずれも有しない保護用マスクを除く。)【HS 90.20(4万円を超えるものに限る。)】
  17.  腕時計、懐中時計その他の携帯用時計(ストップウォッチを含み、ケースに特定金属又は特定金属を張った金属を使用したものに限る。)及びその部分品【HS 91.01、9111.10、9111.90(特定金属(銀、金、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム及びルテニウムをいう。以下同じ。)又は特定金属を張った金属を使用したケースの部分品に限る。)、9113.10(以上、4万円を超えるものに限る。)】
  18.  グランドピアノ【HS 9201.20(20万円を超えるものに限る。)】
  19.  美術品、収集品及びこっとう【HS 97類(金貨その他金を主たる材料とする物を除く。)(4万円を超えるものに限る。)】

根拠法令は、輸出令第2条第1号の4と、同「輸出令別表2の3」の3(→ 輸出令別表2の3)であり、HS番号や金額制限等の詳細は経済産業省令(→令和4年経済産業省令第21号)に規定されています。

紙幣や貴金属(金の地金など)の輸出禁止

同時に、2022年4月5日から、居住者又は非居住者によるロシア連邦を仕向地とする支払手段(銀行券及び政府紙幣)と貴金属(金の地金、金の合金の地金、流通していない金貨その他金を主たる材料とする物)の輸出も禁止されました。

この詳細は、「財務大臣の許可を受けなければならない支払手段又は証券の輸出又は輸入を指定する告示」(→ 支払手段等告示)及び「財務大臣の許可を受けなければならない貴金属の輸出又は輸入を指定する告示」(→ 貴金属告示)をご参照ください。

外為法第19条第1項及び外為令第8条第1項とそれぞれの告示が根拠法令となります。

先端的な物品等の輸出禁止

次に、ロシア制裁として、2022年5月20日から、ロシアを仕向地とする先端的な物品等(量子コンピュータ、3Dプリンター等)の輸出等を禁止する措置が導入されました。

対象となる品目は、

  1.  石油精製用の触媒
  2.  量子計算機その他の量子の特性を利用した装置及びその附属装置並びにこれらの部分品
  3.  電子顕微鏡、原子間力顕微鏡その他の顕微鏡及びこれらの顕微鏡とともに使用するように設計した装置
  4.  積層造形用の装置(3Dプリンター)並びにこれに用いられる粉末状の金属及び金属合金
  5.  有機発光ダイオード、有機電界効果トランジスター及び有機太陽電池の製造用の装置
  6.  微小な電気機械システムの製造用の装置
  7.  水素(太陽光、風力その他の再生可能エネルギーを利用して製造するものに限る。)を原料とする燃料及び変換効率の高い太陽電池の製造用の装置
  8.  真空ポンプ及び真空計(量子技術関連)
  9.  極低温用に設計した冷却装置及びその附属装置並びにこれらの部分品(量子技術関連)
  10.  集積回路から蓋及び封止材料を除去するための装置
  11.  量子収率の高い光検出器(量子技術関連)
  12.  工作機械及びその部分品並びに工作機械用の数値制御装置
  13.  電磁波による探知を困難にする機能を向上させる材料(メタマテリアル)、ほぼ等しい割合の複数の元素で構成された合金(高エントロピー合金)その他の先端的な材料(一部は量子技術関連)
  14.  導電性高分子、半導電性高分子及び電界発光の性質を有する高分子

の14品目です。

これらの品目については、詳細なスペックが「貨物等省令」の改正(→ 経済産業省令第47号)によって限定されています。その点を十分に理解しておく必要があります。

根拠法令は、先に掲げた「軍事力強化につながる汎用品(32品目)」の次に追加された形ですので、輸出令第2条第1号の4、及び同「別表第2の3」の2、貨物等省令第32条~第45条となります。

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ロシアの産業基盤を強化する物品の輸出禁止【2022.6.17追加】

2022年6月10日に、ロシアの産業基盤強化に資する物品の輸出を禁止する政令改正(→ 令和4年政令第213 号)が行われ、6月17日から施行されました。

対象貨物は、従来と同様に、輸出令別表第2の3において規制されています。この制裁による規制品目は、同表の第二号の二に146品目が掲げられ、その詳細スペックが貨物等省令(→ 改正省令52号)において規定されました。

また、HS番号については、同時に運用通達が改正(→ 改正通達)されていますので、その内容を以下に記載します。このHS番号と詳細スペックから、対象となる貨物を特定して、輸出規制に対応する必要があります。

イ 木材及びその製品のうち、次に掲げるもの

  1. 化粧ばり用単板及び合板用単板並びにこれらに類する積層木材用単板並びにその他の縦にひき、平削りし、又は丸剝ぎした木材〔HS 4408.10〕
  2. 木製のたる、おけその他これらに類する容器及び木製のこれらの部分品〔HS 44.16〕

ロ 鉄鋼製の貯蔵タンクその他これに類する容器〔HS 73.09〕

ハ 手工具用又は加工機械用の互換性工具並びに機械用又は器具用のナイフ及び刃〔HS 8207.60, 82.08〕

ニ ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品及び附属品のうち、次に掲げるもの

  1. 蒸気発生ボイラー及び過熱水ボイラー並びにこれらの部分品〔HS 84.02(8402.11を除く。)〕
  2. 発生炉ガス発生機、水性ガス発生機又はアセチレンガス発生機その他これに類する湿式ガス発生機の部分品〔HS 8405.90〕
  3. 蒸気タービンの部分品〔HS 8406.90〕
  4. 反動エンジン、液体原動機及び気体原動機〔HS 84.12(8412.31、8412.808412.90を除く。)
  5. 気体ポンプ、真空ポンプ、気体圧縮機、ファン、換気用若しくは循環用のフード又は密閉形の生物学的安全キャビネットの部分品〔HS 8414.90〕
  6. エアコンディショナー〔HS 5415.83〕
  7. カレンダーその他のロール機の部分品〔HS 8420.99〕
  8. 遠心分離機及びその部分品〔HS 5421.19、8421.91〕
  9. 噴射用、散布用又は噴霧用の機器及びこれらの部分品〔HS 8424.89、8424.90〕
  10. プーリータックル及びホイスト〔HS 8425.11〕
  11. デリック、クレーン、移動式リフティングフレーム、ストラッドルキャリヤー及びクレーンを装備した作業トラック〔HS 8426.12、8426.99〕
  12. 昇降機、コンベヤその他の持上げ用、荷扱い用、積込み用又は荷卸し用の機械〔HS 8428.20、8428.32、8428.33、8428.90〕
  13. ブルドーザー、アングルドーザー、メカニカルショベル、エキスカベーター及びショベルローダー〔HS 8429.19、8429.59〕
  14. くい打ち機、くい抜き機、コールカッター、削岩機及びトンネル掘削機〔HS 8430.10、8430.39〕
  15. 繊維素繊維を原料とするパルプの製造機械及び紙又は板紙の仕上げ用の機械〔HS8439.10、8439.30〕
  16. 製本用機械の部分品〔HS 8440.90〕
  17. 箱、ケース、筒、ドラムその他これらに類する容器の製造機械〔HS 8441.30〕
  18. 印刷用コンポーネントの調製用又は製造用の機器の部分品〔HS 8442.40〕
  19. 印刷機並びにその部分品及び附属品〔HS 5443.13、8443.15、8443.16、8443.17、8443.91〕
  20. 人造繊維用の紡糸機、延伸機、テクスチャード加工機及び切断機並びにこれらの補助機械〔HS 84.44、8448.11、84448.19(84.44の機械の補助機械に係るものに限る。)〕
  21. 紡績準備機械、紡織用繊維の糸の製造機械、かせ機、糸巻機、紡織用繊維の糸を準備する機械、織機、編機、ステッチボンディングマシン、タフティング用機械又はジンプヤーン、チュール、レース、ししゆう布、トリミング、組ひも若しくは網の製造機械の補助機械(その部分品及び附属品を含む。)並びに部分品及び附属品〔HS 84.48(8448.20、8448.31、8448.32、8448.39、8448.59を除く。)((20)に該当するものを除く。)〕
  22. 洗浄用、清浄用、絞り用、乾燥用、アイロンがけ用、プレス用、漂白用、染色用、仕上げ用、塗布用又は染み込ませ用の機械、織物類その他の支持物にペーストを被覆する機械及び紡織用繊維の織物類の巻取り用、巻戻し用、折畳み用、切断用又はピンキング用の機械並びにこれらの部分品〔HS 8451.10、8451.29、8451.30、8451.90〕
  23. 原皮、毛皮又は革の前処理用機械、なめし用機械及び加工機械並びに毛皮製又は革製の製品の製造用又は修理用の機械並びにこれらの部分品〔HS 84.53(8453.20を除く。)〕
  24. 転炉〔HS 8454.10〕
  25. 金属用のボール盤、中ぐり盤、フライス盤、ねじ切り盤及びねじ立て盤〔HS 8459.10、8459.70〕
  26. 平削り盤、形削り盤、立削り盤、ブローチ盤、歯切り盤、歯車研削盤、歯車仕上盤その他の加工機械〔HS 84.61(8461.50を除く。)〕
  27. 木材、コルク、骨、硬質ゴム、硬質プラスチックその他これらに類する硬質物の加工機械並びにこれらの部分品及び附属品〔HS 8465.20、8465.93、8465.94、8466.92〕
  28. ツールホルダー及び自動開きダイヘッド〔HS 8466.10〕
  29. 謄写機、郵便物の分類用、折畳み用、封入用、帯がけ用、開封用、封止用又は封印用の機械及び郵便切手の張付け用又は消印用の機械〔HS 84.72(8472.90を除く。)〕
  30. 電子式計算機の部分品及び附属品〔HS 8473.21〕
  31. 選別機、ふるい分け機、分離機、洗浄機、混合機、捏和(ねつか)機、凝結機、成形機及び鋳物用砂型の造型機〔HS 8474.10、8474.39、8474.80〕
  32. ガラス又はその製品の製造用又は熱間加工用の機械及びこれらの機械又は電球、電子管、せん光電球その他のガラス封入管の組立て用機械の部分品〔HS 84.75(8475.10を除く。)〕
  33. ゴム若しくはプラスチック又はこれらを材料とする物品の成形用機械〔HS 8477.40、8477.51〕
  34. 土木事業、建築その他これらに類する用途に供する機械、プレスその他の木材又はコルクの処理用機械及び産業用ロボット並びにこれらの機械又は動物性油脂、植物性油脂若しくは微生物性油脂の抽出用若しくは調製用の機械、網若しくはケーブルの製造機械、蒸発式空気冷却装置、旅客搭乗橋その他の機械類の部分品〔HS 8479.10、8479.30、8479.50、8479.90〕
  35. 鋳型ベース、鋳造用パターン及び鉱物性材料の成形用の型〔HS 8480.20、8480.30、8480.60〕
  36. 減圧弁、油圧伝動装置用又は空気圧伝動装置用の弁、安全弁及び逃がし弁〔HS 8481.10、8481.20、8481.40〕
  37. 針状ころ軸受及び玉軸受又はころ軸受の部分品〔HS 8482.40、8482.91、8482.99〕
  38. ガスケットその他これに類するジョイント、材質の異なるガスケットその他これに類するジョイントをセットにし、又は取りそろえて小袋入りその他これに類する包装にしたもの及びメカニカルシール〔HS 84.84〕

ホ 電気機器及びその部分品のうち、次に掲げるもの

  1. 直流電動機、発電機及びロータリーコンバーター〔HS 8501.33、8501.62、8501.63、8501.64、8502.31、8502.39、8502.40〕
  2. トランスフォーマー〔8504.33、8504.34〕
  3. 電磁式のカップリング、クラッチ及びブレーキ〔HS 8505.20〕
  4. 一次電池の部分品〔HS 8506.90〕
  5. ニッケル・カドミウム蓄電池〔HS 8507.30〕
  6. 電子ビーム炉〔HS 8514.31〕
  7. ラジオ放送用又はテレビジョン用の送信機器〔HS 8525.50〕
  8. 鉄道、軌道、道路、内陸水路、駐車施設、港湾設備又は空港の信号用、安全用又は交通管制用の電気機器の部分品〔HS 8530.90〕
  9. 固定式コンデンサー〔HS 8532.10〕
  10. 固定式電気抵抗器〔HS 8533.29〕
  11. 電気回路の開閉用、保護用又は接続用の機器〔HS 8535.30、8535.90〕
  12. アーク灯〔HS 8539.41〕
  13. 熱電子管、冷陰極管及び光電管並びにこれらの部分品〔HS 85.40(8540.11、8540.12、8540.40及び8540.71を除く。)〕
  14. 粒子加速器〔HS 8543.10〕
  15. 電気機器の電気絶縁用物品並びに電線用導管及びその継手〔HS 8547.90〕

へ 鉄道用機関車、炭水車、鉄道又は軌道の保守用又は作業用の車両及び無蓋車〔HS 8602.90、86.04、9606.92〕

ト 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品のうち、次に掲げるもの

  1. 貨物自動車〔HS 8704.10、8704.22、8704.32〕
  2. 特殊用途自動車〔HS 8705.90〕
  3. 自走式作業トラック又は鉄道の駅のプラットホームにおいて使用する種類のトラクターの部分品〔HS 8709.90〕
  4. トレーラー及びセミトレーラー〔HS 8716.20、8716.93.〕

チ 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器及び精密機器並びにこれらの部分品及び附属品のうち、次に掲げるもの

  1. 写真用又は映画用の材料の現像、焼付けその他の処理に使用する機器〔HS 9010.10〕
  2. 土地測量用、水路測量用、海洋測量用、水理計測用、気象観測用又は地球物理学用の機器並びにこれらの機器又は測距儀の部分品及び附属品〔HS 9015.40、9015.80、9015.90〕
  3. 積算回転計、生産量計、タクシーメーター、走行距離計、歩数計その他これらに類する物品〔HS 9029.10〕
  4. テストベンチ〔HS 9031.20〕
  5. 液体式又は気体式の自動調整機器〔HS 9032.81〕
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ロシアへの化学兵器等関連物品の輸出禁止【2022.10.7 追加】

2022年9月30日に、ロシア向け化学兵器等関連物品の輸出を禁止するため輸出貿易管理令が一部改正(→ 令和4年政令第318号)され、10月7日(金)から実施されました。

今回は、輸出令別表第2の3の中で、「第1号:輸出令別表1のリスト規制貨物(3月18日から輸出禁止)」と、「第2号:軍事力強化につながる汎用品32品目(同日から輸出禁止)」の間に、「第1号の2」を新設し、以下の89品目を加えたものです。

イ 軍用の化学製剤の原料となる物質並びに軍用の化学製剤と同等の毒性を有する物質及びその原料となる物質 (108品目)(2023年2月3日、35品目追加)

この「イ」に掲げる貨物の詳細については、改正後の貨物等省令(→ 令和4年経産省令第77号)及び2023年の改正省令(→ 令和5年経産省令第6号)において、次のいずれかに該当するもの及びこれらの物質を含む混合物とされています。また、混合物にあっては、第1号から第60号までに該当するものは、そのいずれかの物質の含有量が全重量の90%を超えるものに限り、第61号から第101号までに該当するものは、そのいずれかの物質の含有量が全重量の95%を超えるものに限る、とされています。

  1. アセチレン
  2. アセトン
  3. アンチモン
  4. ベンズアルデヒド
  5. ベンゾイン
  6. 塩素
  7. ジシクロヘキシルアミン
  8. エチレン
  9. 酸化エチレン
  10. フルオロアパタイト
  11. 硫化水素
  12. マンデル酸
  13. クロロメタン(別名塩化メチル)
  14. ヨウ化メチル
  15. メチルメルカプタン
  16. エチレングリコール(別名エタンジオール)
  17. シュウ酸ジクロリド(別名塩化オキサリル)
  18. 硫化カリウム
  19. チオシアン酸カリウム
  20. 塩化チオホスホリル
  21. 亜リン酸トリイソブチル
  22. 次亜塩素酸ナトリウム
  23. 三酸化硫黄
  24. 黄りん
  25. 赤りん
  26. メタノール
  27. エタノール
  28. 一-ブタノール
  29. 二-ブタノール
  30. イソブタノール
  31. ターシャリーブタノール
  32. シクロヘキサノール
  33. 水銀
  34. 塩化バリウム
  35. 硫酸
  36. 三・三―ジメチル―一―ブテン
  37. ピバルアルデヒド
  38. 一―クロロ―二・二―ジメチルプロパン
  39. 二―メチルブテン
  40. 二―クロロ―三―メチルブタン
  41. ピナコール
  42. 二―メチル―二―ブテン
  43. ブチルリチウム
  44. メチルマグネシウムブロミド
  45. ホルムアルデヒド
  46. ジエタノールアミン
  47. 炭酸ジメチル
  48. メチルジエタノールアミン塩酸塩
  49. ジエチルアミン塩酸塩
  50. ジイソプロピルアミン塩酸塩
  51. 三―キヌクリジノン塩酸塩
  52. 三―キヌクリジノール塩酸塩
  53. (R)―三―キヌクリジノール塩酸塩
  54. N・N―ジエチルアミノエタノール塩酸塩
  55. アンモニア
  56. 炭化カルシウム(別名カーバイド)
  57. 一酸化炭素
  58. 塩化水素
  59. 硫黄
  60. 二酸化硫黄
  61. 三塩化アルミニウム
  62. ジクロロメタン(別名二塩化メチレン)
  63. N・N-ジメチルアニリン
  64. 臭化イソプロピル
  65. イソプロピルエーテル
  66. イソプロピルアミン
  67. 臭化カリウム
  68. ピリジン
  69. 臭化ナトリウム
  70. 金属ナトリウム
  71. トリブチルアミン
  72. トリエチルアミン
  73. トリメチルアミン
  74. ヒ素
  75. 三酸化二ヒ素
  76. ビス(二-クロロエチル)エチルアミン塩酸塩
  77. ビス(二-クロロエチル)メチルアミン塩酸塩
  78. ベンジル
  79. 一-ブロモ-二-クロロエタン
  80. ジエチルエーテル
  81. ジメチルエーテル
  82. N・N-ジメチルアミノエタノール
  83. 一・二-ジクロロエタン(別名二塩化エチレン)
  84. エチレングリコールモノメチルエーテル
  85. ブロモエタン(別名臭化エチル)
  86. クロロエタン(別名塩化エチル)
  87. エチルアミン
  88. ヘキサメチレンテトラミン
  89. イソシアン酸メチル
  90. イソプロパノール
  91. メチルアミン
  92. ブロモメタン(別名臭化メチル)
  93. ニトロメタン
  94. ピクリン酸
  95. 二-メチルキノリン
  96. 亜リン酸トリブチル
  97. トリス(二-クロロエチル)アミン塩酸塩
  98. ジエチレントリアミン
  99. ブチリルコリンエステラーゼ
  100. 三-ジメチルカルバモイルオキシ-一-メチルピリジニウムブロミド(別名臭化ピリドスチグミン)
  101. 塩化オビドキシム
  102. N―(一―フェネチル―四―ピペリジル)プロピオンアニリド(別名フェンタニル)及びその塩類
  103. N―〔一―〔二―(四―エチル―五―オキソ―二―テトラゾリン―一―イル)エチル〕―四―(メトキシメチル)―四―ピペリジル〕プロピオンアニリド(別名アルフェンタニル)及びその塩類
  104. N―〔四―(メトキシメチル)―一―〔二―(二―チエニル)エチル〕―四―ピペリジル〕プロピオンアニリド(別名スフェンタニル)及びその塩類
  105. 一―(二―メトキシカルボニルエチル)―四―(フェニルプロピオニルアミノ)ピペリジン―四―カルボン酸メチルエステル(別名レミフェンタニル)及びその塩類
  106. メチル=一―フェネチル―四―(N―フェニルプロパンアミド)ピペリジン―四―カルボキシラート及びその塩類
  107. 四―アニリノ―一―フェネチルピペリジン
  108. 一―フェネチルピペリジン―四―オン

ロ 軍用の化学製剤の製造に用いられる装置並びにその部分品及び附属装置(11 品目)(貨物等省令による貨物の詳細を( )で補記しています。)

(1)反応器(容量が0.1立方メートル超20立方メートル未満のもの)

(2)貯蔵容器(容量が0.1立方メートルを超えるもの)

(3)熱交換器及び凝縮器(伝熱面積が0.15平方メートル超20平方メートル未満のもの)

(4)蒸留塔及び吸収塔(塔の内径が0.1メートルを超えるもの)

(5)かくはん機(第1号に該当するものに用いるように設計されたもの)

(6)弁(呼び径が10A超であるもの)

(7)ポンプ及びその部分品(軸封をしたポンプ及びシールレスポンプであって、最高規定吐出し量が1時間につき0.6立方メートルを超えるもの、及び真空ポンプであって、最高規定吐出し量が1時間につき1立方メートルを超えるもの並びにその部分品として設計されたケーシング、ケーシングライナー、インペラー、ローター及びジェットポンプノズルのうち、内容物と接触するすべての部分が次のいずれかに該当する材料で構成され、裏打ちされ、又は被覆されたもの)

  • (イ)ニッケル又はニッケルの含有量が全重量の40%を超える合金
  • (ロ)ニッケルの含有量が全重量の25%を超え、かつ、クロムの含有量が全重量の20%を超える合金
  • (ハ)ふっ素重合体
  • (二)ガラス
  • (ホ)黒鉛又はカーボングラファイト
  • (へ)タンタル又はタンタル合金
  • (ト)チタン又はチタン合金
  • (チ)ジルコニウム又はジルコニウム合金
  • (リ)セラミック
  • (ヌ)フェロシリコン
  • (ル)ニオブ又はニオブ合金

(8)局所排気装置(床置き用のウォークイン型の囲い式局所排気装置であって、最小公称幅が2.5メートル以上のもの)

(9)化学物質の分析又は検知に用いられる装置並びにその部分品及び附属装置

(10)電解槽及びその部分品(次のいずれかに該当するもの)

  • (イ)クロルアルカリ電解槽(水銀電解槽、隔膜電解槽及びイオン交換膜電解槽を含む。以下同じ。)
  • (ロ)チタン電極(他の金属酸化物でコーティングしたものを含む。)であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの
  • (ハ)ニッケル電極(他の金属酸化物でコーティングしたものを含む。)であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの
  • (ニ)チタン-ニッケルのバイポーラ電極(他の金属酸化物でコーティングしたものを含む。)であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの
  • (ホ)アスベストの隔膜であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの
  • (へ)ふっ素重合体を基材とした隔膜であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの
  • (ト)ふっ素重合体を基材としたイオン交換膜であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの

(11)圧縮機(湿潤又は乾燥状態の塩素を圧縮するために特に設計したもの)

ハ 軍用の細菌製剤の製造に用いられる装置及びその部分品(5 品目)(こちらも、貨物等省令による貨物の詳細を補記しています。)

(1)物理的封じ込めに用いられる装置及びその部分品(次のいずれかに該当するもの)

  • (イ)クラス-Ⅱ安全キャビネット及びグローブボックス
  • (ロ)物理的封じ込めのレベルがP三又はP四である施設に使用される可能性のあるコンベンショナル方式又は乱流方式のクリーンルーム及び自己完結型ファン付きHEPAフィルターユニット

(2)発酵槽(内容積が10リットル以上20リットル以下の発酵槽であって、生物系材料を扱うことができるもの)

(3)遠心分離機(ローター容量が4リットル以上のバッチ式の遠心分離機であって、生物系材料を扱うことができるもの)

(4)物理的封じ込め施設において用いられる防護のための装置(ろ過及び給気式の全面型面体呼吸用防護具)

(5)核酸の合成又は核酸と核酸との結合を行うための装置(一部又は全体が自動化されたもののうち、50ベースを超える核酸を生成するように設計したもの)

また、今回も政省令の改正と同時に運用通達が改正(→ 改正通達)されていますが、当該運用通達において、今回の規制対象物品の詳細な解釈が規定されているので、実際の運用に当たってはこちらも参照する必要があります。

例えば、「イ」の「混合物」については、化粧品、シャンプー、調製界面活性剤、インキ、ペイント、接着剤、調製不凍液又は調製潤滑剤等であって、個人的使用のため小売用の包装(瓶、缶、チューブ等に詰められたもの)にしたものは除かれています。

Ukraine field-,Igor2008, Pixabay 4326422_1280
Ukraine field-,Igor2008, Pixabay 4326422_1280

ベラルーシへの輸出禁止措置

輸出令別表1該当品目(リスト規制品目の全て)の輸出禁止

ベラルーシを仕向地とする「リスト規制貨物」(輸出令別表1の1の項から15の項までの貨物)を、2022年3月18日から輸出禁止としました。

ロシア向けの輸出禁止措置と同様の措置です。

根拠法令は、輸出令第2条第1号の3(→ こちら)と、同「別表第2の3」の1です。

特定の団体(軍事関連2団体)との直接又は間接の取引きに関する輸出禁止

ベラルーシの特定の団体との直接又は間接の取引に関する輸出貨物について、同じく2022年3月18日から輸出禁止としました。

この特定団体は、ベラルーシ国防省と株式会社インテグラルの2団体のみです(→ベラルーシの輸出取引禁止団体)。

根拠法令は、輸出令第2条第1号の6です。

軍事力強化につながる汎用品(31品目)の輸出禁止

ベラルーシを仕向地とする貨物で、軍事力強化につながる汎用品(31品目)を、2022年3月18日から輸出禁止しています。

この汎用品は、集積回路やアナログデジタル変換器、電子式の試験装置といった、ロシア向けにも輸出禁止となった「軍事力強化につながる汎用品」のうち、最後の石油精製用の装置等を除く31品目が対象になっています。

根拠法令は、リスト規制品目と同様に、輸出令第2条第1号の3と、同「別表第2の3」の2(→ こちら)です。

「ドネツク人民共和国」と「ルハンスク人民共和国」を仕向地とする全貨物の輸出を禁止

ウクライナの「ドネツク人民共和国」を自称する地域と、「ルハンスク人民共和国」を自称する地域を仕向地とする全ての貨物を、輸出令第2条の要承認貨物に加え、2022年3月18日から実質的に輸出禁止としています。

根拠法令は、輸出令第2条第1号の5です。

******************************

以上の制裁措置に関して、税関から、その都度、注意喚起の通達(最新の例→ 「ロシアへの化学兵器等関連物品の輸出の禁止措置に伴う税関の対応について」)が公開されています。

迂回輸出を防止する観点から、税関の審査や検査の強化(原産地証明書の提出を求められる場合が生じるなど。)が図られることが予想されますので、書類等の準備や申告時期の前倒し等の対処が重要になると思われます。

今後、対ロシア制裁に関する新しい措置が実施された場合は、このブログを随時更新していくつもりです。

ウクライナへのロシアの侵攻に関する日本政府の制裁に関しては、輸出に関するもの、輸入に関するもの、支払規制、支払い手段や貴金属の輸出規制など、多岐に亘ります。その全体像を知るうえで、以下の当ブログも是非、ご参照ください。

2022.3.15 対ロシア制裁に伴う輸出入規制の内容

2022.3.30 対ロシア向け奢侈品や貴金属などを輸出禁止に

2022.4.15 対ロシア制裁としてウオッカや木材等を輸入禁止に

2022.4.23 ロシアを原産地とする品物はWTO税率不適用に

******************************

2022年12月29日の更新から、当ブログ記事は「ウクライナに侵攻したロシア等への制裁(輸出)まとめ」とし、輸入規制に関する記事は、別途、記事をアップすることとしました。まとめ記事は今後も続き、一層長編になり、内容が複雑になると考えた結果です。ご了承くださいますようお願いいたします。

また、私は輸出入通関手続の全般に関して、実務上の問題点の洗い出しや課題の解決に向けたアドバイスが可能です。詳細は、こちらをご覧ください。(→ 貿易・通関・保税に絡む問題を解決したい GTConsultant.net

【最終更新:2023年2月22日】

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日本には特別な特恵関税がある次のページafrica-gana Eti, Pixabay 634231_640

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