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密輸取締り

新型コロナウイルスの偽造薬、偽造ワクチンに気を付けよう

新型コロナウイルスの第3波が到来しているようです。

特に東京、大阪、名古屋などの大都市圏において顕著に増加しており、医療機関の崩壊を招かないためにも、私達は、マスク、手洗いなどの基本的な防疫対策を取りながら生活することが重要です。

actor-Sashin Tipchai, Pixabay
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ワクチン開発は終盤に。

そうした中で、特に米国、英国や中国等で、ワクチンの開発が終盤にかかっています。

ワクチンでは、米のファイザー、モデルナの両社、英国のアストラゼネカなどがから、日本政府は大量に供給を受けることが決まっています。

治療薬については、既存の抗ウイルス薬が、限定的ながら効果があるとされています。

その代表例の一つが、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」です。

また、重症感染症や重い肺炎の治療薬であるステロイド薬「デキサメタゾン」も効果があるようです。

三つめが、富士フィルムの抗インフルエンザ薬「アビガン」です。

一方、某国の大統領が新型コロナウイルスに感染した際には、デキサメタゾンの他に、あまり聞いたことがない新薬が使用されています。

もちろん、御殿医による最新治療の一環でしょうから、きちんとした効果が見込まれた上での投与だったとは思いますが、ある意味、いかにも彼らしい対応だと感心しました。

新型コロナウイルスに罹患した場合でも、直ちに、担ぎ込まれるようにして世界最高水準の治療を受けられる人は幸せですが、世の中のそうでない多くの人々は、まず予防に専念する必要があります。

the-strategy-Michal Jarmoluk, Pixabay
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ワクチンや治療薬は間に合うだろうか。

でも、心配ですよね。罹る前に早くワクチンをうってくれないだろうか、万一罹ったら、すぐに治療効果の高い新薬を使ってくれるだろうか。

この先、効きめが確かなワクチンは、外国で製造されたものが、製薬メーカーとの契約に基づいて我が国でも早期に利用可能になるとは言っても、最初は、誰でもいつでも接種できるわけではないでしょう。

そこで、例えば、あるワクチンが米国で一般に利用され始めた際に、日本で手に入らなくとも、米国から個人輸入して使う人が現れないとも限りません。

新型コロナウイルスに罹患した裕福な人は、某国の大統領が使用した未承認薬を個別に輸入して、主治医に使用させるかもしれません。

勿論、こうした治療薬やワクチンは、医薬品医薬品医療機器等法上の医薬品に該当しますので、業として輸入する場合は、厚生労働省の承認や輸入の許可が必要です。

ただ、医薬品等を個人が使用するために輸入する場合や、主治医が治験用としてインターネット等で購入、輸入した医薬品等は、厚労省の許可等がなくとも輸入できます。

insulation-station- Gerd Altmann, Pixabay
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個人輸入なら手に入るかもしれないが。

具体的に、要指示薬でも、個人用として、1か月分であれば、とりあえず無条件で輸入できます。

また、数量や輸入形態から、個人が使用するかどうか税関で判断できない場合は、厚生労働省の関東薬務局か、近畿薬務局で発行する、「個人用である旨を認める薬監証明」を通関の際に提示すれば輸入は可能でしょう。

問題は、例えば、インターネット等で取り寄せた治療薬やワクチンが未承認である場合は、その治療効果が不明確だということ。

医薬品メーカーが作った正規の医薬品でも、医師の適切な管理の下で、適切に使用することが必要であること。

用法等によっては、深刻な副作用をもたらす等のリスクがあるということです。

それらは、全て、使用する個人の責任ということになります。

勿論、医薬品医療機器等法で同様に規制されるのは、医薬品以外にも、医薬部外品、化粧品、医療機器も同様です。日本で未承認のものは、その安全性や有効性等の確認がされていないことは未承認医薬品と同じリスクがあります。

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偽造医薬品(Counterfeit medicine)をつかむかもしれない。

もっと深刻なリスクがあります。

日本で入手する医薬品等は、販売業の許可を受けた限定された事業者が適切に入手して、適切に保管管理等されているものです。ということは、逆に言えば、実態がよく分らない海外の業者から入手する医薬品等は、中身も信用できないということを十分に理解しておく必要があります。

医者が使うから大丈夫とも言えません。過去には、医者が個人輸入して、使用していた医薬品が偽造薬(偽造医薬品:Counterfeit medicine)だったという事例もあります。

すでに世界中で、偽造薬による健康被害が起こっています。

悪名高いのは、日本でも税関で沢山輸入を差し止められているED治療薬ですね。

そのほかアフリカや中南米の特に貧しい人たちを標的にしたマラリア治療薬や、高額で取引されるC型肝炎治療薬などです。

偽造薬は世界中で、毎日、沢山の罪もない人たちの命を奪っている実態があります。

こうした偽造薬は、そもそも、本来の薬効が期待できないばかりか、かさ増しのために何を混ぜているか分からず、何で着色しているかも分からず、どんな不潔なところで作っているかもわかりません。

とにかく、新型コロナウイルスに効果があると謳う治療薬、ワクチンなどを個人で輸入して使用することは、それ自体が命を危険にさらす行為であり、新型コロナウイルスによる疾病よりも深刻なリスクがあると思ってください。

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