師走に入って、そろそろ今年の10大ニュースが話題になろうとしていますが、先日は、某有名女優がMDMAを所持していたかどで警察に逮捕され、その前に元タレントとか、人気俳優などが逮捕されていてインパクトがあった様ですので、合わせて10位以内にランクインするかもしれません。
MDMAとは、「メチレン・ジオキシ・メタンフェタミン(methylene deoxy methamphetamine)」を略した名称です。合成麻薬ですが、名前から分かる様に、メタンフェタミン、つまり「覚醒剤」の仲間ですね。「アンフェタミン(amphetamine)」も「覚醒剤」ですが、これは主に欧米で出回っている様です。
覚醒剤が「シャブ」と言われることは、ドラマなどでご承知でしょう。「シャブ」とは、それで「骨の髄までしゃぶられる」からだと聞いています。一度、その虜になったが最後、その(一時的な)快楽の代償は、その人(の肉体と精神)全てということです。
だから、MDMAも同じように、身も心も囚われてしまう薬物ですが、大きな違いは、その使用方法だと思います。
覚醒剤は、よく「白い粉」として知られていますが、実は様々な形状があります。氷砂糖の様な結晶も、黒砂糖のような塊も、液体もあり、中には「黒い粉」に加工されている場合もあります。それでも、使うときは何らかの道具が必要ですが、MDMAは多くは錠剤であるので、経口で、どこでも、ひっそり簡単に、罪悪感が生じる間もなく使用できます。
そのことが、いわゆる素人さんにも身近なクスリになっている原因かもしれません。
これらの写真は、税関ホームページの、 「各税関の摘発事件発表(平成31年・令和元年)(URL→こちら )から、一部を抜き出したものですが、MDMAの錠剤もまた、様々な形状で売られていることが分かります。でも、本当のところ、その成分は全く信用できません。医薬品やサプリではないので、色を付けるのも絵の具であったりするようです。
それにしても、MDMAや覚せい剤はどこから来るのか。その殆どは、外国から密輸入されていると言って良いでしょう。それも、最近は激増している模様です。
財務省税関が、2019年9月25日付で発表した「令和元年上半期の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況」から、不正薬物等の摘発状況をみてみると、最近の異常さがよくわかります。
半年で27,000錠は、半年で27,000人がMDMA(覚醒剤)中毒になる量です。
どんなに才能豊かな人物でも、金持ちもそうでない者も、見目麗しい人も、MDMAを1錠、口にふくめば、等しく薬物中毒になり、犯罪者となり、社会から脱落することになります。
また、覚醒剤の水際での押収量も、MDMA同様に、激増しています。
その水際での押収量は、2019年1~6月 1,460kg で、前年同期の約2.8倍となっています。2018年が1年間で 1,156kg だったことなどから、2019年は確実に2トンを超えるだろうと言われています。
半年間の1,460kg は、末端価格だと約876億円、回数では約4,867万回分になります。
しかも、これらは水際で止まった量であり、税関をすり抜けて国内に入ってしまった量は分かりません。
つまり、覚醒剤やMDMAに限らず、不正薬物は外国から来て、日本国民の足下から日本の社会に入り込むのです。この半年の押収量だけで、5,000万人近い日本人が覚醒剤中毒にされかけた、ということになります。
これは、核兵器などの大量破壊兵器に等しい、と私は思います。戦争行為的なのです。
だから、覚醒剤やMDMAは、私たち日本人一人ひとりが、自分たちの身に迫った危険だと理解する必要があります。自分たち自身を、子供や孫を含む家族を、甥や姪などの親戚を、心優しい友人を、会社の有能な部下たちを狙って、外国から密かに送り込まれているのだということを知っていただきたいと思います。
税関の年末特別警戒も始まったようで、テレビでも名古屋税関の取締りの模様が放映されていました。水際での税関の網を逃れて日本に入ってしまった覚醒剤などの不正薬物は、市民からの通報で摘発されることも多いのです。
夜中に不審な人が出入りする、港に不審な船が入る、近くの倉庫から不審な音がする、といった、あなたからの税関や警察への通報が、あなたとあなたの家族を守ることにつながるのです。
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