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EPA原産地規則

お役所に電話やメールで問い合わせるときに

私は、わりと頻繁に、様々なお役所に電話をかけます。

仕事をする中で疑問に思ったことや、不確実なことは、まず、関係するお役所に電話で聞いています。また、自分で文献などを調べて結論を得た案件でも、その確認のために担当省庁に電話をすることは多いです。

最近は、どこのお役所も当たりが柔らかくなりました。

特に、県庁や市役所、町役場といったところは、本当に親切に、何でも教えてくれます。窓口に行っても、先方から御用聞きに来てくれるところが多く、気持ちよく導いてくれますので、とても便利です。

一方で、国の出先機関は、まだまだ横柄な口調で対応するところがあるように思います。どうして、そう上から目線なのだろうと思いながらも、教えてもらう立場だし、前に進むには我慢するしかないのかもしれませんが、そうした時の、何か対応のコツのようなものはないでしょうか。

ということで、今日は、国の出先機関の中で、税関の窓口を例に、電話などで照会するときの心構えの様なことを少し考えてみたいと思います。

contact- Gerd Altmann, Pixabay
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まずは、税関相談官に聞いてみよう。

税関には、よろず相談窓口として、税関相談官という役職があります。(→ こちら

こちらは、総じて親切な印象を受けますが、時として、的を射ていない、回答が明確でないとの声を聞きます。すぐに他の部署に回されたという場合もあるようです。

それは、むしろ税関相談官という職務が、様々な通関上の問い合わせに明確に回答できない立場だから、だとも言えます。

どちらかと言えば、通関制度などの大まかな質問に一般的な回答をする窓口、或いは、個人輸入者など知識の乏しい方に通常の手順などをアドバイスする窓口なのです。

だから、例えば、個別の商品を輸入したいときに、その関税の税率が何%かとか、申告価格にはどういった費用を加算するかとか、何か輸入(輸出)に関する他法令規制を伴う場合の具体的な対応などを聞かれたときは、専門の窓口を紹介する、という回答になると思います。

つまり、言い換えれば、税関には、そうした疑問に応えるべき専門知識を持った部署が、他にあるということです。

では、どういった場合に、どこの部署に、何を聞けばよいか、どの様に聞くか、といった点を、「輸入貨物の関税率を知りたい場合」を例に考えてみましょう。

関税率(品目分類)は関税監査官に聞く方が良い。

輸入貨物の関税率は、実務的には、「実行関税率表」(タリフ → こちら)によります。

でも、この表の中身は、統計細分との組み合わせで、合わせて約9,500の品目に分かれているので、慣れないと決めるのに時間ばかりかかります。

最終的に、輸入申告された貨物はどの税表番号が妥当かの決定は、輸入地の税関が行いますが、事前に照会する先は、関税監査官(→ こちら)という部門になります。

関税監査官に照会する方法は、単なる相談であれば、電話でも、メールでも、窓口での口頭照会でも構いません。

他に、事前教示照会という制度もあります。こちらは、回答に拘束力があって、文書で紹介して文書で得た回答は、その後3年間、通関の際に尊重される、という扱いになっています。しかし、事前教示照会の際には、決められたフォームを用いて、そのモノの材質や形状、用途などを、かなり細かく説明しなければなりませんし、場合によって、輸入する商品の見本を提供しなければ正確な回答は得られません。

それ程でなくとも、大体の税率を知りたい場合は、勿論、私もそういった感覚で電話照会することが時々ありますが、ある程度、自分でもタリフを使って調べて、相応の知識を得た上で聞くようにしています。

また、そうしないと、先方がせっかく詳しく説明してくれても、こちらがその内容をきちんと理解できないことが多いと思います。

port- Michael Gaida, Pixabay
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説明が誤っていれば、回答も誤る可能性がある。

また、見本の提供がない場合に、特に気を付けるべきは、こちらの説明に「品目分類をする上での大切な観点」での説明が欠けることがあるという点です。

何にせよ、自分が求める回答が得られるように、意図せずとも説明が偏ることは、ままあることではないでしょうか。

結果として、説明が誤っていれば、当然、回答も誤ってしまうことになります。なので、電話照会などの場合は、税関の答えが間違っている可能性がある、ということが前提であり、その結果をもとに輸入申告する場合は留意しなければなりません。

勿論、輸入通関は「申告納税方式」なので、自分が正しいと思った内容で申告することは違法ではありません。要は、その品目分類に自分がきちんと責任を持てれば良い訳です。

関税率は、品目分類と原産地で決まる。

税率の照会は、品目分類だけではありません。その品物にEPA税率の適用を受けたければ、まず、品目分類を確定させてから、今度は、原産地調査官(→ こちら)に照会し、原産地規則を満たしているか、原産地証明手続はどうするか、などを聞く必要があります。

つまり、ベトナムで作ったからTPP11税率が使える、フランスから輸入するから日EU・EPAが利用できる、中国製だからRCEPを利用する、という訳ではなく、そうしたい場合は、最低限、品目分類と個別のEPA協定等の原産地を満たしているか否かを確認する必要があるということです。

原産地規則を満たしているかどうか不安なときは、原産地調査官に、その商品等の製造場所(国)、製造方法、製造工程、原材料、原材料の調達先やその製造方法、場合によって、原材料の価格割合などを説明しなければなりません。

原産地規則の照会にも、事前教示照会制度はあるので、案件の金額が大きければ、その利用をお勧めします。

電話等で照会した場合は、品目分類の照会と同様に、自分の説明が偏っていたことにより税関の答えが誤っている可能性があることを理解した上で、その後の通関手続を進める必要があります。

なお、原産地認定については、「原産地規則ポータル」(→ こちら)という強い味方がいます。このサイトは、情報が豊富で、詳細にわたり、記述も丁寧で、他の同様のFTA/EPAに関するサイトより使い勝手が良いと感じます。

grain-Albrecht Fietz, Pixabay
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通関業者の方は、十分調査してから質問を。

ただし、いずれの場合も、一般の人が聞くのと、通関業者(通関士)が聞くのでは、少し税関の対応が異なるかもしれません。

通関業者は「通関のプロ」なので、さぞ難しい質問が来るだろうと、電話を受けた税関職員は構えます。仮に、通関業者から、いかにも簡単なことを質問されると、その資質を疑われかねません。

この通関業者はこんなことも知らないのか、と思われて、では、今後は審査や検査をもっと慎重にしなければ、と判断されたとすると、顧客(輸出入者)に迷惑がかかることにもなります。

もっとも、水際の安全安心と関税等の徴収を税関に付託している国民全体から見れば、まさにそうあるべきだとも言えますが。

さて、相手が税関でなくとも、私がお役所に電話で照会するときに、反論できる材料があれば、大抵、反論します。勿論、言い回しは丁寧に、紳士的にですが、自分で調べた結果に基づいて意見をのべます。

必要なら、法令や通達の根拠を問います。公開されていない通達等であれば仕方ありませんが、多くは、きちんと教えてくれます。また、相手の役職とお名前を聞きます。そうすると、その後に新たな疑問が生じた場合にも、聞きやすくなります。

念のため、税関職員は国家公務員法上の守秘義務に縛られているので、品目分類や原産地の照会で照会者から得られた情報が他に洩れることはありません。

カスタムスアンサー(FAQ)やチャットボットも利用しよう。

一般の方が税関に照会する内容は、上記の例の他に、具体的な貨物の通関手続、輸出入に関する規制、知的財産の問題、或いは、今まさに輸入(輸出)通関が止まっている理由が知りたい、などでしょうか。

照会される側からみると、これに関税評価や減免戻し税制度などが加わります。それぞれに窓口はきちんと公開されていますから、臆することなく照会されることをお勧めします。

税関ホームページには、「カスタムスアンサー」というFAQがあります。(→ こちら)「カスタムス」とは税関という意味の英語(Customs)からきていますが、この一点をとっても、一般の方には分かりづらいですよね。でも、質問と回答はコンパクトにまとめられていて、印刷もしやすく、使い勝手は悪くないと思います。内容も随時更新されていますので、手っ取り早く調べるには便利だと思います。

最近、チャットボットも始めました(→ こちら)。こちらは使ったことがないですが、相手はAIですから、期待しましょう。

勿論、私も、通関手続や保税蔵置場の運用などについて、ご相談に応じています。ご希望の方は、当方の業務内容やプロフィールに一度目を通されて、どうぞメール等をお寄せください。(→ 貿易・通関・保税に絡む問題を解決したい GTConsultant.net

お待ちしております。

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