INTERPOLがニセ医療用品等の大量押収を発表
INTERPOL(国際刑事警察機構:International Criminal Police Organization = ICPO)が、本年3月20日に、”Global operation sees a rise in fake medical products related to COVID-19” を発表しました。
以下は、当該記事を当サイトで“勝手に仮訳”したものです。写真も、当該記事から転載しています。正確な内容は、是非、INTERPOLのサイト(→ こちら)から、原文をご参照下さいますようお願いいたします。
(また、この発表自体は2か月以上前のものですが、私がその存在を知ったのがごく最近であることと、今も、これからも、この内容は日本の皆さんが特にEC等で買い物をするときに知っていて欲しいということ、日本ではあまり報じられていないようであることから、今回、皆さんにご紹介するものです。)
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原題「Global operation sees a rise in fake medical products related to COVID-19」(世界一斉取締で分かったCOVID-19関連の偽医療用品の増大)
コロナ・ウイルスの蔓延で、偽物の医療品に新たな傾向が生まれている
[リヨン/フランス発-] 偽物のフェイスマスク、基準を満たさない手指消毒薬、無認可の抗ウイルス医薬品の全ての種類が、「パンゲア作戦13」(Operation Pangea 13)で押収された。この作戦は、90か国の警察や税関及び公衆衛生管理当局が参加した、医薬品と医療用品の不法なオンライン取引に対する共同取締りである。
今回の取締りの結果、世界では121件の逮捕者と、1,400万米ドル相当を超える価値の危険性の高い医薬品が押収された。
犯罪者はCOVID-19につけ込んで儲けている
コロナ・ウイルスによる病禍の発生は、犯罪者達が個人用防護具や衛生用品のマーケットでの高い需要につけ込む形で、“Fast Cash”(ATMでの現金の定額引き出し)の利用を増やした。
「パンゲア作戦」に参加した取締当局は、COVID-19に関連する2,000のオンライン広告出品を発見した。勿論、偽物の医療用マスクがオンラインで最も普通に売られていた医療用具で、その実態は、作戦中の1週間で約600件に及んだ。
“corona spray(コロナ・スプレー)”、 ”coronavirus package(コロナ・ウイルス用一式)” “coronavirus medicine(コロナ・ウイルス薬)” といった、34,000個以上の偽物でかつ基準を満たさないマスクが押収されたが、これらは偽物におけるこうした新たな動きの氷山の一角に過ぎないことは明らかだ。
「もう一度言うが、パンゲア作戦で分かったのは、犯罪者は利益のためなら何でもするということだ。公衆衛生上の危機の最中での、こうした偽物の医療用品の不法取引が示すのは、犯罪者が人々の健康や、生命でさえ完全に無視するということだ。」と、INTERPOLの事務総長ユルゲン・ストックは述べた。
2018年に実施した1週間に比べて、この作戦の最新の報告書によれば、無認可の抗ウイルス治療薬の押収量は約18%増加し、無認可のクロロキン(抗マラリア治療薬)の押収量は100%以上増加しており、これらもCOVID-19の蔓延に関係していた。
押収とウエブサイトの閉鎖
この作戦期間の1週間(2020年3月3日~10日)の間に、参加したINTERPOL加盟国の当局は、326,000個を超える貨物を検査し、このうち税関及び取締機関によって押収されたものは48,000個を超えた。
全体として、世界中で当局が押収した不正医薬品は440万単位(units)に及んだ。その中には、
- 勃起不全治療薬の錠剤
- 抗がん剤医薬品
- 催眠・鎮静剤
- 蛋白同化ステロイド剤(筋肉増強剤)
- 鎮痛剤/痛み止め
- 神経系剤
- 皮膚病剤
- ビタミン剤
などが含まれる。
また、37,000個を超える無認可の及び偽物の医療器具も押収されており、その大部分は医療用のマスク及び自己診断キット(HIV及びブドウ糖)であり、また、様々な医療用の器具もあった。
作戦期間中の参加国から得られた情報によれば、おそらくコロナ・ウイルス蔓延の影響によって、小口貨物の国際輸送が相当に落ち込んだ(約40%にまで)との指摘がある。
この作戦によって既に2,500を超えるウエブ・リンクが閉鎖されているが、中には、これまで既に閉鎖されてきたものと似かよった番号の、不正医薬品のオンライン広告やオンライン取引市場、SMSページ、ウエブサイトが含まれている。
当局の一致協力した努力によって、37の組織犯罪グループの活動を崩壊させた。
様々な危険性について一般の意識を高めることに
「パンゲア13作戦」の下で、INTERPOL加盟各国は、広報ビデオやパンフレット、広報展示会、病院や学校での説明会を通じて、非正規のオンライン元から医薬品等を購入することの危険性にもっと注意するよう、一般の人々に働きかけて来た。
「パンゲア作戦における重要な目的の一つは需要を減らすことだとして、マレーシアは国民に対し、注意行動を強く促しています。そのため、自動車ステッカーの配布、テレビやラジオだけでなく電子掲示板でのビデオ上映などを行っています。」と、ノーリダ・ビンティ・アブドル・ラーマン マレーシア保健省上級主任次長は語った。
偽造の薬は、有効成分の量が正しく含まれていない(少なすぎる、多すぎる、或いは全く含まれていない)ことが多い。他にも、例え薬が本物であっても、盗まれたものとか、そのために保管状態が悪い、或いは使用期限が過ぎてしまっている事例もある。こうした場合、薬が効かないとか汚染されるということになる。
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(GTConsultant.net補足)
このINTERPOLの記事で分かるのは、特に、EC(電子商取引)を用いて海外から簡単に購入できるマスクや医薬品等は、全く信用できないか、極めて危険なものだということです。
元々、マスクなどに限らず、貿易取引は国内取引に比べて信用性の点では非常に大きなリスクがあります。文化や価値観、適用される法令からして異なるのですから当然ですね。また、ECは、購入先のサイトも十分に気を付けないと、偽サイトである可能性があります。
勿論、ECサイトなどで医薬品を購入して、例えそれが正規品であっても、転売すると、医薬品医療機器法上の無許可販売、つまり違法行為になる可能性が高いと思われます。
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